母親になってからというもの、ずいぶんとキレやすくなったなと思う。いけないことだとわかってはいるけれど、コミュニケーションが通じず、でも関わり続けなくてはならない相手というのは子どもしかいなくって、そんな彼らに怒りをぶつけてしまう。人生で初めて発狂したのも子どもを産んでからだし、子どもという生き物はとてつもなく強くてどうしようもない存在だと思う。
先日からのPMSでイラつきがちになっていたのが、生理もほぼ終わり気持ちも多少穏やかになりつつあった頃。ちょうどその頃は一歳の息子とまるでコミュニケーションがとれなくなっていて、保育士さんには自我の芽生えの時期だと言われていた。ご飯を食べなくなり、食事テーブルにおもちゃを持ってきて遊んだり、食べ物で遊んだりしてばかりで、毎食の世話に苦労していた。
ある朝、何かが気に入らずご飯を前にずっと怒ったり泣いたりしていた息子の隣で、わたしが彼にスープを食べさせようとしていると、突然顔を引っ掻かれた。爪をきちんと切っていないわたしが悪いのだけれど、それがひどく痛くって、思わず「もういやだ!せいちゃん(息子)キライ!」と言ってしまったのだ。
このセリフ、どこかで聞いたことがある。三歳の娘が、息子に同じように何か嫌なことをされたときに発する言葉だ。
わたしが思わず口にしたセリフは、三歳児と同じだった。ちょっと間を置いて冷静になると、そのことがなんだかとっても情けなくて面白くて、一人で笑ってしまった。わたしの中身は三歳なのか、と。
基本的にはもうちょっと上、できればもう10倍くらいの年齢を装えていたらよいのだけど、それくらいの皮を被っている。でも怒りに感情が支配され、コントロールができなくなると、三歳のわたしが顔を出す。
育児って、育児をしなければ出会えなかったであろう自分に出会ってしまうことがよくある。この三歳のわたしもきっとそう。できることなら出会いたくはなかったけれど、こんな私もいるんだな、くらいに思っておこう。
ここで、三歳のわたしなんて……親失格! くそっ! って思ってないところが、本当にわたしはダメな母親なんだなと思う。
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