久々に、鑑賞後に良くも悪くも感想が止まらない映画を観ました。
『世界一キライなあなたに』
【あらすじ】
舞台はイギリスの田舎町。ルイーザ・クラークは、おしゃれをすることが大好きな26歳。ある日、働いていたカフェが閉店することになったルーが新たに得た職は、バイクの事故で車椅子生活を余儀なくされ、生きる希望を失ってしまった超ハンサムな大富豪ウィル・トレイナーのお世話係をする期間6ヶ月の仕事だった。
最初はルーに冷たく当たるウィルだったがルーの明るさが、ウィルの頑な心を溶かしていき、やがて2人は恋に落ちていく。しかしある日ルーは知ってしまう。ウィルが決めた「生きる時間」があとわずかだということを・・・。
(出典:https://warnerbros.co.jp/c/movies/sekakira/about/)
※以下、ネタバレありです。
ラストが違えば、好きな映画トップ10にランクインしただろうに。ってくらい、ラスト以外は大好きな映画でした。主人公のルーはとっても前向きで明るくて健気な女の子。ファッションはちょっと奇妙というかかなり個性的だけど、自分を持っててすてき。家族のため、そしてウィルのために懸命に生きてる姿がとってもかっこよくてすてきで、観ていてとても励まされました。私もこんな風に、一生懸命に生きたいなあ、生きなきゃなあって。
ウィルは、事故に遭うまでとっても充実した生活を送っていたようですね。ハンサムで仕事もできてお金持ちで、何不自由ない生活だったんでしょう。事故に遭い首から下が全く動かせなくなってしまって、過去の自分と比較して落ち込んで無気力になって心を閉ざしてしまいます。体が動かせないので自分で自分を殺すことさえできないウィルは「安楽死」を決意し、その意思を父親は尊重すると言い、母親は最初は猛反対しますが結局は受け入れます。ルーと出会い徐々に笑顔が増えたウィル。ウィルが自殺する予定だと気付いたルーは、自分の彼氏をほったらかして一生懸命ウィルに尽くします。
ルーと一緒にいるウィルは、とっても楽しそうで幸せそうに見えたんです。だから、きっと自殺をやめるんだろうって思いながら見てたんです。でも、ウィルの意思は変わらなかった。結局彼は、自殺しました。
そしてラスト、ルーはパリにあるカフェでウィルからの手紙を読んでいます。そして笑顔で終わるんです。笑顔で。
は・・・!?なんで笑顔なん。
自殺からの笑顔で終わるこの感じ、何がいいのかさっぱりわからない。絶対にいつか後悔する日が来る。彼を救えなかったことに。綺麗事を言ってもしょうがないのはわかる。でも、勝手に電車に飛び込んだわけでも勝手に首をつったわけでもなく、手伝わないと成立しない自殺(正確に言うとルーは手伝ってないですけど)を見て見ぬ振りをしたのですから。私だったら、彼に出会ったこと、彼に関わったこと全てを後悔すると思う。ルーは全力で頑張った。これ以上できることはなかった。だけど。
これほどに救われないお話ってありますか?
安楽死が認められている地域があり、自殺幇助団体が存在しているってことは、こういったことも現実にはあるんだと思います。だけど・・・つらいじゃないですか、残される方だって。
ウィルのツラさはもちろん理解できます。だけど、ウィルは頭も良ければルックスも良く、自分を愛してくれる両親やルーもいる。お金だってある。ウィルはルーに言ってました、もっと視野を広げなよと。
でも、視野を広げるべきはウィルだったんじゃないの?
あるものに目を向けてほしかったなあ。十分すぎるくらい恵まれていると思うんですウィルの場合は。過去の自分と今の自分の比較をやめること、そこが一番大切だったんじゃないかと。死にたいという気持ちを認めることさえも愛情なのか?私は、そうは思わないなあ・・・。
猛烈に、反発したくなる映画でした。ただ、ラスト以外はとても好きだったし、だからこそこんなにもいろいろと思うところもあったし、そういう意味ではかなり印象深い映画だったと思います。
主人公ルーを演じたエミリアクラークは、雰囲気かな、なんとなーくレイチェルマクアダムスに似ている気がしてとってもキュートでした。表情が良かったです、特に眉の上下が!体もムチッとしていてよかったなあ、って一緒に見ていた彼氏に言ったらいつもそういうとこチェックするよねって変態を見るような目つきでこっちを見ていたけど気にしない。
それと、ルーの彼氏役のパトリック、どこかで見たことあるような・・・と思って調べてみたら、なんと!ネビル!(ハリーポッターの!)おとなになったんだなあ。笑
最後に。邦題が「世界一キライなあなたに」になった理由がわかりませんでした。誰が誰を世界一キライなんだ・・・?
おわり。
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