初めて人の死にふれた話。その2

初めて、人の死にふれました。

幸いなことに今まで、身近な人で亡くなった人がいませんでした。

お通夜もお葬式も行ったことがありません。

「死」

これは、実際に経験をしないとわからないものですね。

いや、経験した今もよくわかりませんけど。

未だに祖父が亡くなったことが信じられません。

つい数日前まで普通に元気そうにしていたのに。

祖父にもう会えないんだなってことは理解できます。

いつも座っていたこの椅子に座ることはないんだなって。

声を聞くことも、笑顔を見ることもできないんだなって。

(あー、歌がうまかった祖父の歌声を録音しておけばよかったと今思いました)

でも、それが、「死んじゃったから」っていうことにつながらないというか。

死ぬって、なんだろうな。

やっぱり、よくわからない。

 

火葬場で焼かれるまで、2日間祖父の遺体とともに過ごしました。

人の遺体を見るのは初めてでしたが、お化粧をしてもらって、とても死んでいるようには見えませんでした。

まるで眠っているよう。

じっと見ていると、あれっ今瞬きした?

じっと手を握っていると、あれっ脈あるじゃん?

って思うんですよね。

不思議ですね。

人の骨を見るのも初めてでした。

焼かれた骨を見た時は、なんていうか、悲しいっていうよりも好奇心の方が強かったかもしれない。

ああ、これが人の骨か。

遺体は(当たり前ですが)祖父という認識があり、見るたびに涙がこぼれていましたが、骨になるともう祖父という認識がなくなってしまうというか、もう涙をこぼすことはありませんでした。

 

祖父は優しくて、多趣味で、素敵な人でした。

バスの運転手を引退してからは旅行会社でツアー企画から添乗までこなし、日本全国を旅していました。

退職後はボランティア活動や地域の老人会などに参加していました。

癌になってからも、わりと最近まで元気で活発でした。

ここ2年くらいは、体力も衰え少しボケも進んでしまい、あまり家から出ませんでしたが。

それでも、カラオケやボーリングに誘うと楽しそうにしていたので、もっと一緒に行けばよかったなあ。

祖父はたくさんの薬を飲んでいたので、私が管理していました。

毎週末、1週間分の薬を小分けにして準備していましたが、その作業ももう二度とすることはないんだなあ。

さみしい。

 

なんだか、後悔でいっぱいです。

祖父は、物を捨てません。

使う予定もないのに、大事に取っておきます。

大事に、というのは気持ちの問題で、実際はそこらじゅうにポイってしてあるんですけどね。笑

私は綺麗好きなので、そんな祖父を理解できず、テーブルにどんどん物をためていく祖父が許せなくて何度か文句を言ったことがあります。

片付けてよ、って。

それでも祖父は片付けようとしないどころかどんどん物は増えていくので、結局は諦めましたけど。

文句なんて言わなきゃよかったなあって。

もっと優しくしてあげたらよかったなあって。

あとは、思い出をもっとたくさん作っておきたかったなあ。

カラオケもボーリングも、ドライブやジャズのコンサートなんかにも一緒に行きたかったな。

昔の写真を見ながら、昔の思い出話を聞いたりとか。

とにかく、近くに住んでたんだからもっともっともっと一緒にすごせたはずなのに。

そうしなかった自分に、このやろう!!!!!って言いたい、言ってる。

じいちゃん、ごめんね。

 

2ヶ月ほど前、この本を購入しました。

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最後だとわかっていたなら。

本屋で立ち読みして、感動して、この気持ちを忘れないようにしようって。

大切な人を大切にできるようにって。

なのに、やっぱりその時の感情をキープするのは難しくって、忘れちゃうんですよね。

まあ、だからこそ本を買って手元に置いておいたんですけどね。

忘れちゃうのはしょうがないから、たまに読み返してその気持ちを思い出せばいい。

これからはこの本やこのブログをたまに読み返して、人の死を後悔しないように、後悔しないのは無理かもしれないけどできるだけ後悔を少なくできたらいいなあ。

 

祖父のこと、思い出せば涙が出てくる。

だけど、思い出さないでいると忘れてしまいそうで怖い。

いまのところ、その間でバランスをとっています。

ちょっと思い出して、泣きそうになったら考えない。

しばらく考えなかったらまた思い出して。

 

 

 

本当は、感じたことをもっとちゃんとまとめて書きたかったのに、全然まとまらなくてぐだぐだと思いついた順に書いてしまいました。

 

大好きな祖父を、私は一生忘れません。

じいちゃんの孫でよかった!!!!!

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