この間お気に入りの映画を見ていたときのこと。何度か観たことがある映画だったけど、最近はBGMのように流し見ばかりしていたので、こんなセリフがあったのか、と少し驚きました。今の私にそのセリフがぐっと心に刺さっただけかもしれないけど。
一つだけ誰にも負けなかったことがある。命がけである人を愛した。私にはそれで十分だ。
映画『きみに読む物語』 デューク(ノア)のセリフより
このセリフの前に、自分は平凡に生きて云々かんぬんっていうセリフもあるんですよ。自分の人生は平凡だったけれど、ある人、最愛の奥さんのことなんですけど、奥さんを命がけで愛したこと、それは誰にも負けなかったしそれだけで十分な人生だったなあ、ということだと思うんですね。
これ、いいなあ。私がいつか死ぬとき、この言葉を言って死にたいなあ。(このセリフは、ノアが死ぬ間際に発したものではありませんが!)
夫、そして子供。
大事な家族を命がけで愛しきったわ〜〜〜〜〜!!!おつかれさん自分!
って言って、この世にオサラバする。いいなあ。そういうのいいなあ。
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そうそう、私が大好きな小説(映画)にも、こんな詩が登場するんです。
人間は死ぬとき愛されたことを思い出す人と愛したことを思い出す人に分かれる
私はきっと愛したことを思い出す
『サヨナライツカ』 辻仁成著
昔は愛されたい気持ちのほうが強かったです。でも夫と結婚して、愛する人がいることの幸せを感じるようになりました。喧嘩もするし嫌な面もたくさんありますけどね。これから子供も生まれ、愛する人がまた一人二人と増えていく。彼らをたくさんの愛情で包みこむことによって、私もきっと幸せな気持ちになれると思うんですよね。
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それからもう一つ。最近読んだ本に書いてあったこと。
人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせれば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、わたしは理解したのだ。
『夜と霧』 ヴィクトール・E・フランクル 著
アウシュビッツから生還した心理学者が書いた本です。(アウシュビッツに行ったときにガイドさんに勧められた本。4年越しで読了。遅い!)
信じられないほど過酷な状況であっても、愛する人を思い出すだけで一瞬でも心が満たされる、らしいのです。誰かを愛すること、愛する人がいることって、それだけ究極的なことなんですね。なるほどと思いました。アウシュビッツ収容に値するほどの過酷な状況に、今から自分が陥る可能性はほぼないと思うので(幸せな時代に感謝せねば)、この本を読まなかったら気づけなかったことです。ありがたや。
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これらの映画や本の「愛」のお話に感銘を受けたのは、やはりもうすぐ母親になるからでしょうか。愛っていいなあ。夫、そして子供を命がけで愛そう、と誓った今日このごろでした。
おわり。
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